名人戦共催
いよいよ始まるんですね。待望の名人戦です。4月7日の夜が椿山荘にて前夜祭。文部科学大臣もお見えになる予定です。毎日新聞社と朝日新聞社の共催で、両社長がお二人ともご挨拶。
4月8日の第一局は同ホテルで午前9時から始まります。正立会が中原十六世名人。会長米長邦雄。勿論両新聞社社長も同席。4人が一列に並んで第一手を見守ります。私も和服です。
思えば長い道のりでした。一昨年の12月末に共催で三者が合意したのでした。中原渉外担当理事が書面を持参して毎日新聞社を訪ねたのが一昨年の3月27日のこと。それから5月の定時棋士総会、8月1日の臨時総会を経て12月末に合意。
公私に亘って叩かれました。もっとも私を悪者に仕立てようとしたのはプロ棋士2名と女流棋士2名、それにブラックジャーナリストとして高名な男に、一企業と決まっています。彼らも叩き疲れたことでしょう。ごくろうさまでした。
オイ。どうだ。そろそろ手打ちしよう。それともまだやる?
私は女性に関しても打たれ強いのです。「ヒドイ目にあわされた」という女性が出てこない限りは作り話ですから。
かくして私は以前にも増して元氣ですが、叩いた方の人たちの方が心配で心配で。
共催による普及協力金1億1200万円也。この一年間でそれよりも多くの額を使って普及活動に務めました。アマチュア主導型の普及態勢を築き、教育界へも一歩ずつ前進しています。名人戦の対局を楽しみ、普及活動に務め、教育界への一助も果たす。
今はホッとしています。ご支援感謝。

職団戦
4月13日(日)は東京武道館にて職団戦です。
綾瀬の東京武道館は少々遠いという声がありましたが、今ではすっかり消えました。日暮里や西日暮里から常磐線、千代田線などが近く、おまけに駅から徒歩数分です。却って時間的に近くなったという声が多くなりました。会場費が安く、東京都の都民サービスの一環を将棋界が享受したというところです。
1チーム5000円値下げ。参加費が一人当たり1000円安くなったのです。おかげさまで長期低落傾向にあったチーム数が底を打って上昇しつつある。昨春331チームだったのが今年は354チームになりました。
もうひとつの楽しみ。当日はプロ棋士34名が指導に参加。これは名人戦共催イベントの恩恵です。2連敗すると失格しますが、この日ばかりは2連敗した方が得かも。というのは指導が受けられるからです。加藤一二三先生を筆頭に壮観です。
私は9時50分に開会の挨拶です。約2000名のファンの前で「頑張ってちょ」と激励。朝日新聞社の宣伝部長・山崎真紀子さんもご挨拶。プロ棋士の謝金は名人戦共催金からの支出だからです。それにしても朝日の女性部長は美人が多いなぁ。
S級の優勝者には内閣総理大臣杯が出ます。これ等が私から次世代の人々へのプレゼントです。やり残しているものはネット事業、公益法人改革などですね。

幸せな将棋界
4月18日に将棋大賞授賞式と免状授与式がありました。
トップページの写真はその時のもので、私の隣は昇段した武者野勝巳七段で、両脇は読売新聞社の小田次長と西條記者です。私が紋付なのは、棋士にとっては免状は棋士の命だからです。
それにしても4人とも幸せそうな笑顔です。尚、写真で私の顔の奥にいるのは羽生善治二冠王。最優秀棋士、最多対局、最多勝などいっぱいもらいました。
米長会長挨拶要旨
「日本将棋連盟の目指すものはふたつです。とにもかくにも普及第一。それから対局です。タイトル戦を戦う人もいれば、一年に一回もテレビにも映らず、新聞にも掲載されない棋士もいる。棋士全員が一回戦であろうとファイナルゲームであろうと心血を注いで対局する姿こそが最も大切な尊いことであります。
公益社団法人を目指すために、普及と対局の二本柱を中心にして活動しよう。健全なる財政基盤を整えて、さあプロも指導棋士も女流棋士も全員一丸となって前へ進もう。
これまで将棋界を支えて下さっているマスコミの方々、多くのアマチュアの方々には今後も今までと同様のご厚情を賜りますよう伏してお願い申し上げます」
羽生、佐藤康光、升田賞の今泉健司アマがいる。清水市代、矢内理絵子の二人も表彰された。女流棋士については「まじめな私」を是非お読み下さい。そしてあなたもご参加を。

訃報
小野修一君が急逝。まさか49才の若さで、真部君よりも年下ではないか。
二人とも弟のような存在でした。小野君は丁度一年前に引退。私がその後の人生設計を聴いたりした仲です。血圧が高く「健康面から考えてのことです」と言っていたのに、これではなんにもならないではないか。阿佐ヶ谷に住んでいました。近くの寿司屋で昨年末に一杯やったのが最後だったのです。まじめな男で、恐らく人をだましたりした事は一度も無かったことでしょう。私の自宅にも、米長道場にも来ていた常連で、プロ棋士の将棋大会や打ち上げの幹事役、世話役にうってつけでした。
あの若さで引退というのも今考えると解せぬ。50才で名人になった人もいるというのに、引退は不自然ではありました。本人しか分からない、他人には言えない事があったのかもしれません。
廣津先生のお別れの会が4月27日。小野君のマスコミ発表が翌28日。廣津先生は「好きなことをやって長生き出来て自分は幸せ者だ」が口癖だったとか。
私は会長をやりながら長生きしようと思うんですが、幸せなのかどうかは自分にも分からない。あるがままに楽しむ。ともあれお二人のご冥福をお祈りいたします。
大和証券杯は「まじめな私」をどうぞ。

日本将棋連盟の今後
「米長会長。前回のプロ棋士向けの会報は少し間違いがあります」
「増収ですが赤字。これは本部会計と全体をゴチャ混ぜにしたものです。それに赤字というのはおかしい」
確かに指摘は正しい。そこで私は居合わせた棋士に聞いてみました。
「おいみんな。本部会計って言葉知っているかい?」
皆が分かりませんと言う。
「公益と収益の違いが分かる人は居る?」
誰も居ない。
皆将棋一筋で、雑事には余り関心がないのでしょう。
そこで考えたのですね。社団法人日本将棋連盟の全てはプロ棋士のみに決定権がある。その200余名のプロ棋士の理解が大切であって、正論を述べるなどはその次か次のことです。
公益とは対局(技術研鑽)や普及活動のお金のこと。収支で表した活動のことと言うべきかもしれません。これが2億円増えたのです。
収益:
これは儲け仕事のこと。本を売る、扇子を売る、将棋盤を売るなどです。これが毎年赤字なのです。
正味財産増減:
増を黒字。減を赤字。会社の決算で言えば大体そういうことです。社団法人には黒字とか赤字とかという言葉はないのです。
減価償却:
棋士は2通りです。この言葉を理解している人と、全く分からない人に分かれます。問題は、公益法人改革はプロ棋士のみに決定権があることになります。本部会計、公益、収益、正味財産、減価償却。これらを知ってもらわなければなりません。
将棋世界6月号に米長会長のインタビュー記事があります。公益法人改革についてのロングインタビューです。プロ棋士は勿論、多くのファンに読んでもらいたいものです。