将 棋 の 話
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熱い勝負

 タイトル戦が熱いです。王将戦は羽生に久保が挑戦。第一局が大塚国際美術館でした。ミケランジェロの「最後の審判」の原寸大の大画の脇というか中というか、大聖堂の中での対局という表現がピッタリです。
 久保が先勝しましたが、第二局で羽生が追いついて現在1勝1敗です。

 棋王戦は久保に佐藤康光が挑戦。佐藤は順位戦が振るわずA級から陥落しましたが、タイトルを獲って元を取りたいと思っていることでしょう。

 女流の方も熱い。清水女流名人に里見香奈が挑戦して目下2連勝中。あと1勝すると名人です。高校生名人が誕生するかどうか。

 ということで各クラスの順位戦やタイトル戦が将棋界の大ニュースかと言うとさにあらず。一番人氣が有吉さんで二番目が猫なんですね。有吉さんが2月2日の対局に負けてC2クラスから陥落。引退となったのです。現役生活55年。翌日のNHKでもニュースで流し、近日中に特集があるとかです。新聞にも大きく報道されていました。
 しかし極めつけは猫。去る1月21日に協議会が決裂したんですって。加藤一二三さんがノラ猫(地域ネコが正しい表現)に餌をやっているのが近所迷惑だと訴えられました。第一回目の裁判の様子がニュースに流れました。竜王戦を主催している読売新聞紙上でも将棋より大きな扱いだったのにはビックリしました。猫が竜に勝つなんて。第二回目は1月21日でした。これはトコトン行き着くところまで行きますね。

 将棋界には眠り猫もいます。北尾まどか女流です。フリーになったかと思ったら2月1日付で新会社を設立しました。会社名は「ねこまど」とか。将棋の普及活動のためということです。みなさん応援してやって下さい。

普及サミットと女流棋士

 いやはや里見女流名人誕生のニュースは世界中を駆け巡りました。ニュースターの誕生は女流棋界の起爆剤になります。第一人者の清水市代、女王の矢内、十代の里見と10年ずつに実力者がいる。他の女流棋士にも、もっともっと強くなってもらいたい。
 里見の勉強量は一日5時間〜7時間ということだが、それ以上の熱意を示さないとアマチュアの中学生や高校生の女子にも負けるようになってしまう恐れさえある。女性の棋界が大きく動いていますね。

 全国の支部長や普及指導員の方々が集まってのサミットは、11会場全日程が終了しました。出来るだけ日帰りも出来るようにして、本部から理事、職員が出張する。私は6ヵ所でした。おいで下さった方々、ご苦労さまでした。
 この経費は全額朝日新聞社の普及協力金です。毎日はそれぞれ別項目です。会場費、理事などの交通、宿泊代、そして会議後の懇親会などが経費です。二次会があれば支部長の自腹だったり、将棋連盟だったり、私の自腹だったりです。
 午後3時頃から私の出番です。40分くらいに亘って「普及方針」について熱弁を奮う。それから質疑応答に入ります。要望、ご意見、提案、苦言。それぞれに即答するケースと持ち帰って必ず返事をするケースの二通り。はぐらかしたり、いい加減な答えは絶対にしません。

普及方針
○プロ棋士も普及に一生懸命なのを理解して欲しい
○都道府県支部連合会を立ち上げてもらいたい
○それは公益法人改革における支部の在り方が問題だからである
○子どもの人数をとにかく増やすようにして欲しい
本部からは、全国の支部、道場、教室などへの棋士派遣を主とする支援。県連への担当棋士を決める。

 全国に36の県連合会があります。あと11ヵ所で全県になります。今年度から担当女流棋士を決定。その一年間の担当です。
 県連合会が数ヶ所、大会の審判や教室巡りなどを相談して決める。勿論全ての費用は本部持ちです。泊りがけにもなりますが、夜の食事、酒などは接待無用。但し「みんなで一杯」というのは皆さん自腹でどうぞ。
 3年くらい一巡しますと、人氣のある女流、ブスでブスッとしている女流(今のところ見当たりません)、実力者等々全国一応公平かなと思われるようになる筈です。女流棋士は全国一律モテるんですね。次いで男子プロも担当を決めてゆく。
 尚、ご当地棋士は大事にします。この辺りをつめているところです。

氷上の将棋

 バンクーバーのオリンピック種目の中にカーリングがあります。氷上のチェスとか。どうか日本国内では「氷上の将棋」と称して欲しいです。テレビでアメリカ、カナダ戦を観ました。確かに面白いです。
 正直言うと、私はルールの半分くらいしか分かっていません。直径30cmくらいのストーンなる丸い石を投入というか氷上で押し出すんですな。ボーリングの玉をそうっと投げ入れる感じです。投げ入れると二人がレーンを走ってタワシ状の棒を持ってゴシゴシとこする。これでスピードを上げたり下げたり、左右の行くえを決めるのです。どうもその局面毎にストーンの進行コースの良し悪しが決まるらしい。どのコースをどのくらいのスピードで投げ入れて、それをフォローするかが形勢を左右します。
 10回戦システムで、1回は双方が何手か指す(投入する)先後交代ですので、一手ずつ指す将棋に良く似ています。そして局面ごとの最善があって、それを指せるかどうかが実力。うーん。真しく氷上のチェスじゃなかった将棋ですな。

 世界No.1はカナダとか。そのカナダ相手に日本チームは9回までリードしていました。6-5で勝つかと思ったら最後に7-6で負けてしまいました。
 ストーンを投げ入れる時の選手の表情は女流棋士そのものです。対局中の表情と全く同じ。私にはピンと来るものがありました。カーリングと女流プロによる共同研究会。皆さんにもカーリングの今後をじっくりと応援していただいて、帰国してからは私の仕事ですね。
 今はモヤモヤしていますが、「これだ」という型が決まることになりましょう。どなたかアドバイスを。
 2月21日現在で2勝2敗。なんとかメダルを獲って欲しいものですね。

公益法人

 いやはや熱心ですな。木曜日は公益法人改革委員会でした。委員長谷川浩司、委員は佐藤康光、羽生、渡辺明、森内。私より将棋が強そうなメンバーです。
 オブザーバーという訳でもないのですが、理事会側からは米長会長と関西の西川理事が出席。事務局は専任が一名と補助三名。
 午後10時から始まって午後2時近くまでです。その討議内容も微に入り細に亘る。

 5月下旬には棋士総会があります。社団法人の最高決議機関ですから、ここで賛同を得ないと全てが前進しません。
 そもそも公益法人とは特定の人間だけが利益を享受することは許されないという理念の基に作られた三法です。
 棋士だけで運営してきた棋士だけの世界。対局料、手当て、一時金などをどのように法に合わせて試案を作成するかが問題です。認定する人に認められ、棋士も納得する案です。
 大雑把な私の発言に対して、各委員が私をたしなめるという局面が目立ちます。普及のため、ファンのため、棋士の生活のためにどうあるべきかが討議される。本当にどっちが理事だか分かりません。このまま理事会と公益法人の委員会とが入れ替わって欲しいと私自身が思いました。

 予定では3月下旬の次回までに、事務局が作文と数字で5枚くらいのペーパーを出す。素案の原案。問題点も書き出すのです。女流棋士や支部はどうなるんだろう。さまざまな意見が出て、そしてまとめてゆく。
 私は公益法人の改革よりも一流棋士達の結束と、フリークラスや引退棋士への配慮には恐れ入りました。将棋界の未来は明るいです。

新井田さんを偲ぶ

 明日3月6日(土)午後1時から札幌市の北海道将棋会館にて「新井田基信さんを偲ぶ会」があります。又、翌7日は10時から追悼将棋大会がある。
 日本将棋連盟は会長が花を出し、勝浦修九段を代表とし列席してもらうことにしました。将棋大会の方も勝浦九段が出席します。勝浦九段は紋別出身ですので、私が出しゃばるよりもはるかに良いという判断です。
 新井田さんが48才の若さで急死されたのは2月19日のこと。突然の訃報でした。これから普及面で同一歩調が歩めると思っていた矢先のことで言葉もない。

 北海道には社団法人北海道将棋連盟があります。福井先生が全道を巡回して地歩を築き、佐々木治夫氏が後継して現在の土地建物を作られたのです。
私が会長になってしたこと
○福井資明先生を棋士九段として、関根金次郎門下として棋士系統図の中に収めたことです。このことは実は大変重要な意味があったのです。
○現理事長・三浦光世先生と対談。将棋世界にて三浦理事長と私とが対談しました。そのお礼に六段の免状を贈呈。
その全ては新井田さんのお骨折りの結果です。

北海道の実情
 日本将棋連盟の北海道各地の支部と、道将連つまり北海道将棋連盟の支部とは殆ど仲良く運営しています。
 ただ、今回の公益法人、一般社団についての進路についてはこの先不透明です。事実上の事務局長を失って大変お困りでしょう。しかし、全く別の組織ですから出過ぎたことはしません。ご相談があればあらゆる応援、手助けをします。
 という訳で、私としては余り表へは出ないようにしているのです。各地の支部長が意見を出して、うまく今後もまとめて下さるものと思っております。勝浦九段は北海道出身であり、人間的に誰からも信用されている点も大きい。

 故人のご冥福をお祈り致します。